中堅ナースが抱える「役割過多」のリアル

病院の病棟で働く中堅ナースとしてある程度の経験を積むと、避けて通れないのが「リーダー業務」や「プリセプター(新人指導)」といった新たな役割の付与です。
これまでは自分の受け持ち患者さんのケアに集中していればよかったものが、病棟全体のベッドコントロール、医師や他職種との細やかな調整、さらには後輩の育成・フォローまで、視点を一気に広く持つ行動が求められます。

しかし、病棟の現実は「リーダーだから自分の業務が減る」というわけではありません。自分の受け持ち患者さんを抱えながら、あちこちで鳴り響くナースコールに対応し、後輩のインシデントを未然に防ぐために目を光らせ、急変や緊急入院の指示受けをするという「プレイングマネージャー(実務も管理も行う状態)」に陥ることがほとんどです。
結果として、自分の仕事は後回しになり、定時を過ぎてから山積みの記録に追われる日々に疲弊してしまう中堅ナースは後を絶ちません。

この「役割過多」という強固な壁を乗り越えるためには、すべてを一人で完璧にこなそうとする「優等生思考」を手放すことが重要になります。
後輩の成長を信じて思い切って仕事を任せる勇気を持つこと、そして「ここまではできるが、これ以上はサポートが必要」と師長や主任に的確にアラートを上げるスキルも、中堅に求められる重要な能力です。自分を犠牲にするのではなく、チーム全体で業務を回すという視点にシフトすることで、肩に乗った重圧は少しずつ和らいでいくはずです。